突然ですが、お酒、好きですか?私は大好きです(笑)特に天気の良い昼間、公園のベンチで飲むビールや、虫の声が聞こえる秋の夜、ベランダで飲む焼酎のソーダ割が最高!外で飲むお酒って美味しさ倍増ですよね。
今回は、幕張海浜公園内に不定期で屋台バーが出没するという噂を聞き、事の真相を探るべくバーの店主・櫻井さんに突撃インタビューを試みました!
▼櫻井氏自ら厳選したこだわりのお酒が並びます。
なぜ移動バーを始めようと思ったんですか?きっかけを教えてください。
そもそもはお酒をゆっくり飲むのが大好き。というのが根柢にあるんです。お酒ってベランダとか屋外で飲むと室内よりも美味しく感じませんか?幕張ベイエリアは素敵な公園が大小点在していて、公園でお酒を飲めたら良いな、素敵な空間になるだろうな、と漠然と思っていたんです。
確かに外で飲むお酒って美味しいですよね(笑)
でしょ!(笑)実は3年前に独立したのですが、千葉や地元を素敵にするために自分にできる事はないか?という気持ちもあって、千葉市の取り組みであるリノベーションまちづくりの一環の「リノベーションスクール@ちば」に参加したのもきっかけのひとつです。
もっと街のことを知りたい、と思いリサーチのために昼夜問わず散歩に出かけてベイタウンや開発中のベイパークを見て回りました。ベイタウンもベイパークも大きな計画のもと街づくりをしているので、そのままじゃ面白みがないまちなんです。周りにもっと個性的なお店やバーなんかが増えたら良いなと思ったんですが、店舗を構えるのはハードルが高い。何か方法はないかと考えていました。そんな時、夜の散歩中に幕張海浜公園の近くを通ったのですが、暗くて怖い、と子供達が公園に入るのを嫌がってるのを見たんです。海浜幕張駅からベイタウンまで、住民の皆さんは公園を通り抜けるんですが、確かに夜は街灯しかないので暗くて怖い。私は空間デザインを本職としているので、公園内の通路を灯りで飾れたら良いな!と思いました。
公園内の歩道の周りには花の広場や大芝生広場があって、昼間は子供やご家族連れでにぎわっていますが、夜は全体をライトアップして屋台を出して、静かに音楽が流れていて、そんな大人がほっと一息つける空間を生み出したいと思ったんです。
▼屋台と侮ってはいけません!櫻井さんの華麗な手さばきを堪能してください!
会社から駅までの間に居酒屋さんやスタンディングバーで一杯飲める、それを駅から自宅までの間に作りたいという事でしょうか。
そんな感じですね!公園のような公共空間活用のひとつの事例になるとも思ったし、公園をライトアップしたりそこに人がいれば防犯につながるなと思いました。
なによりお酒が大好きで、外で飲みたい!ついでに儲けたい!ベイタウンっぽさ?も大切にしたい!という思惑が合致したんです(笑)
確かに公園って煌々と街灯が照っている訳ではないので、屋台があって静かに音楽が流れていたら、女性一人が歩いていても怖くないですもんね。
ただ、「こうしたい!」というのはあったんですが、「どうやって」の部分がなかなか進まなく、構想は1日でしたが、行動に移す勇気が出るまでに1年7ヶ月かかりました(笑)
それは長いですね(笑)
公園と千葉市に相談をして、公園を使用する許可をいただきました。相談してからはあっという間に許可をいただくことができたのには驚きました。行政の方々も目指している景色は同じなんだなぁと嬉しく思います。
で、そこから自分で屋台を作りました!
手作りなんですか?凄い器用ですね。
家具のデザインをしていたので少しはできました。まだ少しずつ改良を重ねていますけど仕事の合間(これも仕事ですが)を塗って、不定期で屋台を出しては改善しています。
屋台を出すことで、何か変化はありましたか?
定期的に出して、というお声をたくさんいただいていて嬉しい悲鳴です(笑)私自身も定期的に出したいとは思っているんですが、あまり頑張りすぎると続けるのがしんどくなってしまうこともあるので(笑)自分のタイミングと天気に恵まれたときにだけ出しています。
どんな方が来られるんですか?
ベイタウンにお住いの方がほとんどですね!帰宅途中に屋台を見つけて立ち寄ってくださった方、一旦家に帰ったけれどやっぱり気になって来てくださった方もいます。他には一度来てくださった方が、友達や知り合いを連れて来てくださったり。私自身もベイタウンに住んでいるので「ご近所ですね!」なんて会話も出たり、住民同士のコミュニケーションの場が増えています。
素敵ですね!お話を伺っていると、お酒が好きで外で飲みたい(笑)という櫻井さんご自身の思いもありますが、それ以上に、この街に住むひとたちを繋いで輪を広げていくということに重きを置いているように感じます。
ここに屋台を出す理由のひとつが防犯なんですが、それ以上に知らない人同士が繋がって、コミュニケーションの場として確立できたら素敵ですよね。新しい街のマンション群だから、横の繋がりが難しいように感じる人もいるかも知れませんが、屋台をきっかけに他人同士が程よく知り合いになって、すれ違った時に挨拶が生まれるような街になれば素敵ですね。
屋台を出していて何かハプニングなどありましたか?
屋台の電気や音楽はモバイルバッテリーを使っているのですが、バッテリー切れで強制閉店という経験があります(笑)それでもしばらく会話は弾みましたが。
それはお客様もビックリですね(笑) では最後に、今後の展望をお聞かせください。
公園のライトアップが防犯に繋がる、そして外でお酒をゆっくり楽しむ大人の空間を作りたい、というのが前提にありますが、この空間で出店する他の屋台が増えて、ヒッソリト横丁が作れたら良いな、というのがあります。私はお酒を数種類しか提供しないので、おつまみを提供する屋台や、お酒が飲めないひとのためにコーヒーの屋台とか。いろいろな屋台が出れば楽しめる人も増えますし、大人が夜を楽しむ場所として素敵な空間になると思うんです。それも公共空間が。そして今以上の防犯になる。これが私の展望ですね。
あ、もちろんもっとお金が循環する仕組みにしていく必要もあります。結果地域のためになると思いますので。
素敵な大人の空間が早く出来るよう、応援していますね!
▼通りかかったその日がお誕生日の女性に、櫻井氏からお酒のプレゼント!
ヒッソリト出店情報はインスタグラムでご確認ください。
取材を終えて
お酒が好き、外で飲むお酒が何より美味しいというご自身の趣味から、暗い公園を明るく照らしたいという防犯の観点、大人がくつろげる空間を作りたいという本職の空間デザイナーとしての見地、そして街のひとたちを繋ぎたいという思い。それを形にすると「屋台」になった、そんな櫻井さんの発想に驚きました。人を繋ぎたい、大人の空間を作りたいと仰っていた櫻井さんですが、取材中もフラリと立ち寄った女性おふたりと初対面にも関わらず、楽しく会話を始められ、「人を繋ぐ」という現場に立ち会えたのも幸運でした。ヒッソリト横丁が早く実現するよう、私たちも応援しています。