引越しや初めてペットを飼う方にとって、動物病院を探すのって一苦労ですよね?実は筆者も動物病院探しに苦労したひとりです。歴代の飼い犬たちを診ていただいていた獣医さんがご高齢になって廃業することになり、今現在通っている動物病院に出会うまでの間に、2つの病院に通いました。1つ目の病院では診察室に飼い主が入ることを拒否され、どんな診察をされているのか解らない不安で2つ目の病院へ。2つ目の病院では、漢方薬を処方されたのですが、飼い主の私でも飲むのが辛い苦い粉薬を愛犬に飲ませるのに一苦労。現在のかかりつけ獣医は、飼い主目線でペットのことを診てくださるので安心して通っています。
そんな飼い主目線でペットのことを考えてくれる動物病院が、幕張ベイタウンにもあると聞き、お話を伺いに行きました。
ベイタウンペットクリニック http://4foot4.com/ 〒261-0013 千葉市美浜区打瀬3-9 パティオス22番街100号室 地図は コチラ をクリック! 林医師紹介 https://animal.doctorsfile.jp/h/174420/df/1/ ※ペット手帳でオンライン予約ができます。 詳しくは コチラ をクリック! |
お話をお伺いしたのは院長の林様と副院長の古賀様、笑顔の優しいおふたりです。
なぜこの場所に動物病院を開業されたのですか?
林院長:今は全国に広がっているペット共生住宅ですが、当院がある幕張ベイタウン パティオス22番街はUR都市機構が管理するペット共生住宅の第一号で、19年前に開業したんです。私自身は11年前に都内の病院からこちらの病院に赴任しました。
都内の病院とこちらの病院、何か違いはありますか?
林院長:どちらもペットを家族と考え、犬や猫を大切にされている飼い主さんが多いと感じています。ペットの健康管理に気を配られていて、予防接種や健康診断を積極的にペットに受けさせる飼い主さんが多い印象ですね。
古賀副院長:私も赴任した当初から、ペットと向き合う時間をきちんと作り、愛情をかけていらっしゃる飼い主さんが多いと感じています。よくペットは家族という言葉を聞きますが、当院にこられる飼い主さんは本当に「家族」と考えていらっしゃる方ばかりです。飼い主さんが愛情をかけているから、ペットとの信頼関係がしっかりと構築されている。そんな環境で暮らしている犬や猫は、病院に来てもとてもお利口にしています。本当は病院になんて来たくない、怖い、という子もいると思うのですが、嫌という気持ちを我慢して診察させてくれるんです。
素晴らしいですね!人間同士もそうですが、ペットとの信頼関係も大切なんですね。診察可能な動物はなんでしょうか?
林院長:
林院長:犬猫がほとんどですが、ハムスターやウサギもたまにですが来院されます。全ての動物を診たいと思っているのですが、犬猫以外は簡単な処置しかできないことが多いため、初診の場合には電話で問い合わせていただければと思います。
診察で心掛けていらっしゃることはありますか?
林院長:飼い主さんの話を聞くことですね。基本的に診察室には飼い主さん同伴でお願いしています。コロナが流行して直ぐの頃は、ペットをお預かりして診察していたのですが、飼い主さんが近くにいないことで不安になってしまう子もいますし、人間の言葉を話せないペットを診るので、普段の生活を知っている飼い主さんから直接お話を聞くことで、異常に気付く場合もあります。特に猫の場合、自宅では元気がない等いつもと違う行動をしているのに、病院では何でもないふりをする子もいます。そんな時、いつもはどういう行動をしているのか、生活リズムはどうなのかを詳しく聞き取ることが大切になるんです。
確かにうちの猫も、左目を開けにくそうにしていたのに、病院に連れて行ったらパッチリ目を開いていたことがありました(笑)
林院長:そうなんですよ(笑)しんどいのに無理して元気なふりをして、家に戻ったらまた元気がない、なんて事になると取り返しのつかない事にもなりかねないので、飼い主さんのお話はしっかりと聞くようにしています。会話の中で、そういえばこんなことがあったとか、こんな症状も出ているなど病気や怪我の原因を突き止めるヒントを貰えることが出来るんです。
素敵なお心がけですね!ちょっとした不安や疑問も相談できる病院は、飼い主にとってもとても心強いです。ベイタウンペットクリニックにはトリミングサロン、犬専用のペットホテルが併設されていますね。
林院長:3施設で情報共有をしています。例えばトリミングサロンの「Grooming Salon 4CARAT4」でお預かりしたワンちゃんが、シャンプーの時に皮膚の異常が見つかることもあります。そんな時、直ぐに担当したトリマーから私たち獣医師に相談がきます。治療が必要な疾患だと判断すれば、飼い主さんに治療をされるかを伺い、今後の治療方針をご説明するようにしています。特にシニア期に差し掛かったワンちゃんには、トリミング前に健康診断や診察をすることも可能なので、体調を見ながら施術出来るんです。
また、ペットホテルの「DOGHOUSE CLUB」では、ホテル滞在時に検温、脈拍は都度計っています。時間預かりもしているので、お預かりしたときに明らかに元気がない、どこか痛そうな素振りをしているといった事があれば、やはり私たち獣医師に相談がきます。3施設で連携することで、飼い主さんにも安心していただけると思っています。
一般の動物病院ですと病気や怪我のペットしか診ない、普段の生活状態は飼い主さんのお話しのみになりますが、3施設連携だと安心ですね。
林院長:トリミングサロンの「Grooming Salon 4CARAT4」やペットホテルの「DOGHOUSE CLUB」を利用するうちに、ベイタウンペットクリニックの私たち医師の姿も見慣れてきて、以前より病院を怖がらなくなった、診察中も大人しく出来るようになった、という嬉しい反応がでる子もいるんですよ。初めて子犬と暮らすことになった、久しぶりに子犬と暮らすことになったという飼い主さんでしたら、健康面は我々獣医師がしっかりと診ますが、普段の生活面やしつけについては、「DOGHOUSE CLUB」のトレーナーに相談もできます。
トリミングやペットホテルは対象が犬ですが、猫に対しての工夫はあるのでしょうか?
古賀副院長:猫を専門にしている訳ではないのですが、1年程前から往診を行っています。歩くのが困難な病気の子やシニアの子を診るために、ご自宅に伺って治療をする目的でしたが、実は猫ちゃんの飼い主さんから好評なんです(笑)猫ちゃんは環境の変化に敏感なので、病院に行くだけでストレスになってしまい、診察台の上で暴れてしまう子もいます。体調が悪そうなので病院に連れていきたいけれど、狭いところに隠れてしまって捕まえられず、診察を受けられないという子もいます。でもご自宅に伺うと、大人しく採血させてくれる子もいるんです。
それは、猫の飼い主として本当に嬉しいです!うちの子もキャリーケースを出してくると、どこかに隠れてしまうことがあります(笑)
古賀副院長:そうなんですよ(笑)自分のテリトリーであるご自宅だったら、本当に大人しく、良い子で診せてくれる子が多いので、猫ちゃんの飼い主さんは往診も選択肢のひとつにしていただくと良いと思いますよ。それ以外にも、ワンちゃん、猫ちゃん共に、普段の生活環境が見れるので、的確なアドバイスがしやすくなるというのも良かった点ですね。
往診はどれくらいの頻度で行っているんですか?
古賀副院長:対象地域はベイタウン、ベイパークとなっていて、今は予約制で月4~5件ですが、今後はもっと増やしていきたいと思っています。
最近はペット医療も発展していますし、フードも本当に良いものがでているので、ペットも高齢化していると聞きます。シニア期に差し掛かったペットの飼い主さんへ、何かアドバイスはありますか。
林院長:犬種や猫種によって様々ですが、犬も猫も7歳を過ぎると病気が出やすくなります。例えば10歳のワンちゃんが急にお散歩を嫌がるようになった、ご飯を食べる量が少なくなったということがあると、どうしても飼い主さんは「年のせいかな?」と思ってしまうことが多いのですが、実は内臓の病気が隠れていたということもあります。特にシニア期に差し掛かったワンちゃん、猫ちゃんは、加齢によるものなのか、それとも病気が隠れているのかを知るために、最低でも1年ごとの健康診断を受けて欲しいと思います。また、生活面や食事面のアドバイスも出来るので、何でも相談して欲しいですね。
獣医師も専門があると聞いたことがあるのですが、おふたりの専門は何でしょうか?
林院長:私は歯科に力を入れています。私たち人間もそうですが、ペットも歯と健康の関係が注目されていて「年1回のスケーリングで死亡リスクが20%近くも下がる」というデータも出ています。歯の病気は様々な病気の元になることが多いんです。ペットは私たちのように自分で歯磨きはしませんし、飼い主さんが努力されて歯磨きをしていても、年齢を重ねて歯石が溜まってきてしまいます。歯石を除去することで食欲が出て病気に打ち勝つ力がついたという子もいるんですよ。
古賀副院長:私は循環器を得意としていて、心臓の超音波検査もおこなっています。特に心臓の疾患は早期発見が難しいと言われています。逆に超音波検査を行えば、どこが悪いのかがはっきりと解るので、投薬治療を開始する時期や、お薬を増やすタイミングなど細かく正確に判断することができるんです。純血種の猫の場合、その猫種特有の病気として肥大型心筋症のリスクを生まれながらに抱えている子もいます。早い段階で検査をすれば、発症リスクを抑えられる、発症しても治療しながら長生きできるというメリットもあるので、不安があるときにはご相談ください。
最後に、ベイタウンペットクリニックを今後こういう病院にしていきたい、という望み、展開はありますか?
林院長:地域密着型の動物病院でありたいというのは、開院当初から変わっていません。飼い主さんも私たち獣医師も、ワンちゃん猫ちゃんに健康で出来る限り長生きして欲しいという思いは同じです。一緒に暮らしていても飼い主さんでは気づけない病気や異変もあるので、上手く獣医師を利用していただければと思います。
古賀副院長:今後は鍼治療にも力を入れていきたいです。ペットも高齢化が進んでいるので、加齢で上手く歩けなくなってしまう子もいます。今までは年だから仕方ないね、と言われていた症状も、鍼治療で改善することもあります。
本当に飼い主目線でペットのことを診てくださるなんて、とても素敵です!
林院長:当院だけでは対処できない病気もありますが、その場合には、専門病院の紹介もしていますし、セカンドオピニオンで他の病院で診察していただくことも私たちは推奨しています。子犬・子猫時代からシニア期の介護やその先のケアまでトータルサポートしていきたいと思っているので、少しのことでも相談していただき、私たち獣医師をうまく利用してください。
古賀副院長:私も林院長も、動物が大好きで獣医師という職業を選びました。だからこそ、飼い主さんと一緒にペットとの時間や、一緒に暮らすことで得られる幸せを共有したいと思っています。いつもと少し様子が違うみたいだけど病院に連れて行く程のことでもないかな?という時に、スーパーで買い物している私を見かけたら、お声を掛けてください!(笑)気軽に何でも相談できる、そんな獣医師、動物病院を目指しています。
林院長:病院なので病気になってから連れてこられる飼い主さんがほとんどですが、健康診断やワクチン接種など、元気なときに連れてきていただくと、普段の様子が解るので病気の早期発見にも繋がります。お散歩途中にちょっと立ち寄る、診察する程ではないけれど、少し不安があるから相談したい、など気軽に立ち寄っていただける病院にしたいと思っています。
取材を終えて
林院長、古賀副院長にお話を伺い、本当に動物がお好きで、病院に来る犬や猫を飼い主と同じ目線で見守られているということが、ひしひしと伝わってきました。犬や猫は人間の言葉が話せないので、飼い主様との信頼関係がとても大切、という言葉がとても素敵でした。インタビュー開始直後、看板猫の家康くんが接待をしてくれました(笑)とても可愛らしく、人懐っこい子でした。(でもインタビューが終わる頃には自分のハウスでご就寝(笑)さすがフリーダムな猫様!)おふたりともご自身の専門分野を極めながら、鍼治療などの新しい分野にも挑戦をされ、往診もやってくださる、まさに『地域密着型』の素敵な動物病院でした。